終末期医療の先端施設として注目を集める桜宮病院。医学生・天馬は看護ボランティアとして通い始めるが、ある時から疑念を感じる。この病院、あまりにも人が死にすぎる…。メディカル・エンターテインメント。(※bk1「内容説明」より)
なんだかんだ言いつつちゃんと追いかけている海堂氏の3作目。
前作『ナイチンゲールの沈黙』での感想で「このまま読者が会うことはなさそう」と書いていた“氷姫”こと姫宮登場の作品と聞き、えっ、出てくるの?とびっくりしたのですが出版社が前2作と違って角川さんなのですね……それに気付いていなければ、「ミステリじゃなく単なるエンタメ作品になっちゃった気がするんだけど、なんでいきなり方向転換したの?」と首を傾げていたかもしれません。――と言えてしまうような内容でした;(爆)
文章そのものは前2作よりもこなれた感があるのですが、前述のとおり、ミステリではなくエンタメ作品だったというのが全体を捉えてのワタシの感想であります。張られた伏線もわかりやすすぎたし、どんでん返しもさほどびっくりせず……読み終えたときにかなりの物足りなさが(爆) 医療はもちろんのこと、幾つかの社会的な問題も盛り込んでありましたけれども、どれもが中途半端な印象で……。キャラクターもご都合主義的観点が多く見られる作り方をされており、デビュー作『チーム・バチスタの栄光』で強烈なインパクトを読者に与えた白鳥も作を追うごとにパワーダウンしている気がしてなりません。本作初登場の姫宮も、思ったほど強烈ではなかったのがかなり不満でありました。
まぁ、たぶん読み続けていくとは思いますが(笑)、次作ではあっと驚くような医療系ミステリ作品として出来上がっていることを期待したく思います。ワタシ、海堂氏で読みたいのは医療ミステリーなので!<それと、濃過ぎる白鳥、ついでに言うとそれと水面下でやりあえてしまう高階病院長(笑)
敏腕広告プランナー・佐久間(さくま)は、クライアントの重役・葛城(かつらぎ)にプロジェクトを潰された。葛城邸に出向いた彼は、家出してきた葛城お娘と出会う。“ゲームの達人”を自称する葛城に、二人はプライドをかけた勝負を挑む。娘を人質にした狂言誘拐。携帯電話、インターネットを駆使し、身代金三億円の奪取を狙う。
犯人側の視点のみで描く、鮮烈なノンストップ・ミステリー!(※表紙カバー裏より)
約1年ぶりとなります東野作品。体調不良のため急遽病院に行くことになり、相当待たされること確実だった待合室で読むために購入……で、待っていた3時間の間に読みきってしまいました(笑)
数年前に映画化されたこともあり、カバー裏のあらすじに書かれている程度のあらすじは読む前からわかっていまして、だからなのか、話が割と読めてしまったのが残念でした。さすがにすべてを読みきることはできませんでしたが(苦笑)、それでも「東野氏にしては甘い伏線の敷き方だよなぁ」と思ってしまったことも確か。魅力的(というかワタシの好み/笑)な主人公についても、完璧さを求めて計画を組み立てている慎重さが随所で見せる一方で、「慎重な人間ならば気にかけるべきところじゃないか?」という部分では「そういうものかもしれない」という(読者に対して)説得力のない曖昧なカンジで状況を受け入れたりもしていて、その辺のアンバランスさが読んでいてちょっとすっきりしませんでした。
物語のキーとなる「誘拐」に関しては、やりとりが電話ではなかった点が新鮮で面白かったですね。現金の引き渡しも鮮やかでしたが、心理戦の様相を呈していた交渉部分がこの作品の中では1番好きです。人によって評価が分かれるであろう終わり方も、ワタシは割と好きですけれども!(笑)